ワイヤレス充電への徹底ガイド

ワイヤレス充電が2012年頃に主流のデバイスに初めて登場したときメディア宣伝は巨大でした。 IT系ライターはケーブルやアダプターのガジェットを捨てることができると読者に伝えました。 スマートフォンは机の上に置いたり歩きながらでも充電できるようになる未来も遠くありません。

まだ解決すべきいくつかの問題がありますがワイヤレス充電技術は進歩し続けました。 現在便利で効率的なワイヤレス充電の時代が到来したと言っても過言ではありません。

では当初のワイヤレス充電の技術の紹介は誇大宣伝だったでしょうか？ より多くの消費者がワイヤレス充電の容易さとシンプルさを知るようになってその答えはノーのように見えます。

ワイヤレス充電の歴史

ワイヤレス化への研究決しては新しいものではありません。 電線を使わずに電力を伝送しようとする研究には実用化に動いてました。

以下が初期のワイヤレス電力伝送の簡単な歴史です。

現在までの大きな進歩にもかかわらず効率的なワイヤレス化には重大な障壁が残っていました。実用的な活用事例はほとんど見当たらないままその他の科学技術はこの100年間で大きく前進しました。しかし、21世紀初頭の世界的携帯電話ブームにより研究者はワイヤレス化を再度研究する大きな機会を生み出しました。

ワイヤレス化のためのこの巨大な新しい市場は進歩に拍車をかけましたが同時に紛争を引き起こし消費者の頭痛の種となりました。 2006年から数年間、さまざまなワイヤレス充電規格が優勢を競いました。

これにはPowermat規格（General Motors、Starbucks、Delta Airlinesなどのヘビーヒッターが採用）とWireless Power Consortium（WPC）のQi規格（Samsung、Google、Verizonなどの技術大国が最初に支持）が含まれます。

この間にワイヤレス充電は携帯電話を使いやすくするまでには至りませんでした。ほとんどのスマートフォンブランドがサポートしているワイヤレス充電規格は1つだけです（Samsungの例外を除く）。これにより多くの場合消費者は自分のデバイスに適応するケースがないとワイヤレス充電ステーションを使用できなくなります。

2018年までにQi標準が圧倒しました。 AppleのiPhone 8シリーズはワイヤレス充電をサポートする最初の世代のAppleスマートフォンです。 PowermatがWPCに参入し、Qi標準が広く採用されたことでワイヤレス充電規格戦争は終わりを告げました。

最終的にワイヤレス充電は利用者が単一の標準に従っているおかげで実用的になりました。

現在、ほとんどすべてのワイヤレス充電器がQiを使用しておりほとんどのモバイルデバイスがQiワイヤレス充電をサポートしています。多くの新しいスマートフォンに見られる背面素材はワイヤレス充電に対する膨大な需要を反映しています（メタル製は充電効率を妨げます）。

将来的にワイヤレス充電のニーズはスマートフォンをはるかに超えることが期待できます。やがて、ノートPC、キッチン家電、さらには電気自動車もすべてワイヤレス充電が可能になるかもしれません。

ワイヤレス充電の仕組みとは

ワイヤレス充電は電磁誘導の原理に基づいて機能します。 それは何年も前から存在している電磁誘導加熱コンロにある同じ原理です。

充電器と受信デバイスの両方にワイヤレス充電コイルが含まれています。 送信コイルは充電パッドにあります。 受信コイルはデバイスの背面にありバッテリーに接続されています。

送信コイルは電気を変換し交番電磁界を放出します。 受信コイルがこのフィールド内にある場合、エネルギーは電流に変換され、バッテリーに送られます。

Qi規格の発展

Qi規格（「チー」と発音、漢字は「気」由来）は、すべての生物を通じて生命エネルギーが流れるという中国の概念にちなんで名付けられました。

WPCによって設定されたQi規格は充電器とデバイスの間で流れるエネルギー量に対応するさまざまな電力仕様を定義します。 Qiにはデバイスがワイヤレス充電器から最適な電力量を要求できるようにするデータ転送仕様も含まれています。

Baseline Power Profile（BPP）仕様は最大5 Wの電力出力をサポートします。 Extended Power Profile（EPP）仕様は最大15Wをサポートします。モバイルデバイスの充電にはBPPとEPPの両方が使用されますがEPPは高速充電をサポートしているためより高度です。

Qi規格には現在30〜65Wを供給する中出力仕様も含まれています（最終的には最大200Wにも対応する予定です）。 この仕様はキッチン家電、ロボット掃除機、電動工具、ドローンなどのより大きなデバイスに使用されます。

Qi規格の高速充電

BPPとEPPの違いは技術的に見えるかもしれませんがワイヤレス充電体験に大きな影響を与えます。モバイルデバイス用のすべてのワイヤレス充電製品はBPP（最大5W）またはEPP（最大15W）のいずれかを使用します。EPP製品はより多くの電力を出力できるためEPP充電器を購入すると自動的に高速充電につながると思われるかもしれません。しかし、必ずしもそうではありません。

充電速度に関してはデバイスの電力供給能力が制限要因です。使用する充電器の種類に関係なくデバイスは7Wの電力を受信して​​高速ワイヤレス充電を実行できる必要があります。

電力出力を受信するデバイスの機能は製造元によって事前に決定されています。いくつかの主要ブランドの仕様は次のとおりです。

• アップル：7.5W
• Samsung：9W
• LG：10W
• Google：10W

スマートフォンと充電器の両方が高速ワイヤレス充電をサポートしている場合でも間違った充電器を選択すると速度が低下する可能性があります。ケーブルとACアダプタの両方が急速充電に対応できる十分な電力を受け取ることができる必要があります。たとえば5W充電器に接続された10W充電パッドを所有している場合デバイスは5Wでしか充電されないため高速充電のメリットを得られません。

デバイス、ケーブル、充電器がすべて高速ワイヤレス充電を可能にするのに十分な電力をサポートしていることを確認してください。動作する設定の例を次に示します。

• USB-Cウォールチャージャー（10 W）
• USB-C-USB-Cケーブル
• 充電パッド（10 W）

Qiをサポートするすべてのスマートフォンと互換性のあるデバイスをここで検索します。 

こちらの記事全体を読む：互換性のあるワイヤレス充電器を見つける

ワイヤレス充電の主な利点は何ですか？

すっきり

ワイヤレス充電の主な利点はその名の通りワイヤレスです。 ワイヤレス充電は充電ケーブルからの煩雑さを減らします。 必要なケーブルは充電パッドの電源ケーブルだけです。

簡単充電

また、ワイヤレス充電によりケーブルを接続する必要がなくなります。 スマートフォンを接続し数時間後にケーブル接続が不安定で全く充電されてない経験をしたことはございませんか？ ワイヤレス充電はその問題を解消します。 スマートフォンを充電パッドの上に置くだけですぐに充電が始まります。

デバイス寿命の延長

繰り返しケーブルを差し込んだり引っ張ったりする必要がないため、スマートフォンの充電ポートの摩耗が少なくなります。 充電ポートはモバイルデバイスの一般的な故障しやすい場所でもあるためスマートフォンの寿命が長くなることもあります。

ケーブル対応問題の解消

充電ケーブルがないということはガジェット愛好家の間での不朽の問題であるコネクタの不一致に別れを告げることもできることを意味します。 Lightning、USB-C、またはMicro USBケーブルが手元にないことを心配する必要はありません。 すべてのQiデバイスはすべてのQi充電パッドで動作します。

環境フレンドリー

ケーブルを減らすことの利点は想像より大きいです。 現在、統一の有線充電規格がないため膨大な量の不要な電子廃棄物が発生しています。 ワイヤレス充電の普及によりこの問題を解決できる可能性があります。

現在、ほとんどのAndroidデバイスはUSB-Cポートを使用していますが、AppleのiPhone/iPadはライトニングコネクタのみを使用しています。 つまりAndroidからAppleにまたはその逆に切り替えるには新しい充電ケーブル（および新しいアダプター）を入手する必要があります。 残念ながら古いケーブルとアダプターは最終的にゴミになる可能性が非常に高いです。

充電ケーブルは小さいかもしれませんが電子廃棄物の問題はそうではありません。

2020年1月、欧州議会は欧州連合の携帯電話メーカー向けのユニバーサル充電規格を確立するための新しい規制を可決しました。 EUは共通の充電器規格に合意することで充電器の混乱と年間5000万メートルトンの電子廃棄物（住民あたり16.6 kg）に終止符を打つと主張しています。

e-wasteの削減に関してはワイヤレス充電が先行ています。 Qiワイヤレス充電はすでにユニバーサル充電規格を達成しています。 Apple、Android、GoogleはすべてQi規格をサポートしているため現在最も信頼性の高い充電規格となっています。

安全な充電器

より多くのユーザーがワイヤレス充電を採用すると標準化された充電器の利点が明らかになります。 市場に出回っている充電製品の品質は向上し、販売されている偽造充電器は少なくなるはずです。 これにより世界中のユーザーに高いレベルの安全性が保証されます。

6つの迷信

その進歩にもかかわらず、ワイヤレス充電について懸念を抱く人々はまだたくさんいます。 これらの心配のほとんどは標準があまり洗練されていなかった昔のワイヤレス充電からの思い込みです。

以下は、最も一般的な神話と誤解されていることの一部です。

１．ワイヤレス充電は遅い

この誤解はワイヤレス充電の5Wが標準だった頃です。 確かに当時は遅かったのですが現在の高速ワイヤレス充電パッドは10または15Wの電力を供給することができます。これは有線充電と同じかそれ以上に高速です。

２．ワイヤレス充電は効率的でない

電流から電磁界への変換およびその逆変換は、大幅な効率低下を引き起こしません。 ワイヤレス充電時に入力ワット数の最大80％を回復できますがワイヤレス充電器が効率的なコイル設計を備えていることを確認してください。 安価な認定されていないワイヤレス充電器は効率に影響を与える可能性のある劣った素材や構造になってる傾向があります。

３．ワイヤレス充電は危険である

ワイヤレスで送信されるエネルギーは人体に有害である可能性があると考える人もいます。 ただし磁気誘導は非常に短い距離でのみ機能します。 わずか4cmの距離で放射線の潜在的な影響から完全に安全であり、充電パッドは電磁放射線を常に放出しません。 Qi認定の充電器はスマートフォンがパッドの上にない限り磁気充電フィールドを生成しません。

４．ワイヤレス充電はバッテリーを加熱する

全ての充電（有線およびワイヤレスの両方）はある程度の熱を発生しますが電気工学によりバッテリーの損傷を防ぐために熱レベルを低く保つことができます。 そのため評判の良いブランドからワイヤレス充電器を購入することが不可欠です。 MoshiのQコイルテクノロジーはデバイスを涼しく保ち世界で「最速のワイヤレス充電器」と評価された理由をご覧ください。

５．ワイヤレス充電のし過ぎによりデバイスのバッテリー寿命を早める

充電は一般に電池の寿命に影響を与えません。ワイヤレス充電は特定の高速充電ケーブルよりも実際には安全です。 Qiワイヤレス充電器は有線充電と比較して低い電流を使用するためより安定した充電を実現しています。 ワイヤレス充電器を使用すると1日を通してバッテリーを簡単に補充できます。 スマートフォンを使用していないときに近くの充電パッドに置くとバッテリーが50％未満に低下するのを防ぐことができ、バッテリーの全体的な寿命が延びる可能性があります。 

６．一晩中ワイヤレス充電を続けるとデバイスが損傷する

多くの人にとって充電するのに最も便利なのは夜です。 ただし寝ている間に充電すると過充電になりバッテリーが損傷する可能性があると心配する人もいます。 幸いこれは私たちが心配する必要のあるものではありません。 スマートフォンのバッテリーにはバッテリーが100％充電されるとすぐにバッテリーを充電器から切断する充電制御システムがあります。 スマートフォンが充電器の上にどれだけ長く置かれていても、過充電のリスクなしに充電電流が止まります。 これはワイヤレス充電と有線充電の両方に適用されます。 

ワイヤレス充電の未来

ワイヤレス充電にはその先に確実に明るい未来があります。ますます多くのメーカーがスマートフォンにQiサポートを組み込んでおりガジェットメーカーはより多くのデバイスにQi充電を追加しています。

スマートフォンのワイヤレス充電は充電技術が進歩するにつれて、おそらくさらに簡単になります。 HuaweiやSamsungなどのメーカーは逆ワイヤレス充電を実装し始めています。これにより電話は他の電話や小型デバイスをワイヤレスで充電できます。

充電パッド自体がイメージチェンジしている可能性があります。モニターやマウスパッドなどの一部のデバイスには、ワイヤレス充電が統合されています。 MoshiのSnapToシリーズなどの新しいアクセサリはマウントに直接組み込まれたワイヤレス充電を備えています。家具メーカーでさえQi対応のテーブルとデスクを作成することで行動に参加しています。それはまさにワイヤレス充電が初めて登場したときに人々がワイヤレス充電にとても興奮したような革新です。

より大きなデバイスがいつコードを切断するのか疑問に思いますか？それはすでに起こっています。

2017年6月、デルは磁気共鳴充電技術を使用してワイヤレスで充電できる世界初のラップトップを発売しました。今後数年間で、より多くのメーカーがワイヤレス充電対応のラップトップを展開することを期待できます。

インスタントポット、炊飯器、またはフードプロセッサのコンセントの近くにカウンタースペースを探すのにうんざりしていませんか？すぐに必要なくなります。 WPCの次期Kiコードレスキッチン標準は、最大2200 Wをキッチンアプライアンスにワイヤレスで供給します。 

ワイヤレス充電は一つの未来の到達です。 この有望なテクノロジーを採用する絶好の機会はありません。

もっと知る：Q-coilテクノロジー

MoshiのQコイルワイヤレス充電モジュールは強化されたパッシブ冷却のための多層ヒートシンク設計を特徴としています。 エントリーレベルのコンポーネントで作られた安価なワイヤレス充電器とは異なり、Qコイル充電器は、急速充電中でもクールなままです。 この革新によりMoshiのOtto QはMac＆Iマガジンによって「世界最速のワイヤレス充電器」としてランク付けされました。

これらは、これを可能にする高品質のコンポーネントと材料の一部です。

1. Moshiの充電コイルモジュールは高純度の銅線と高品質のフェライトシートを使用して充電効率を向上させ温度を下げます。
2. 低抵抗DC / DC電力コンバーターは変換効率を向上させ回路基板の温度を調整します。
3. 特別な多層ヒートシンクが充電器の熱エネルギーを下向きに放散し充電器と電話の間の熱伝達を減らします。
4. 内蔵の過電圧、過電流、および過熱保護回路により、充電プロセスがより安全になります。
5. Qi認定により充電の互換性、信頼性、安全性が保証されます。

Otto Q ワイヤレス充電パッド ➞

デンマークの家具デザインにインスパイアされた、Qi対応の電話やBluetoothイヤホン用のスタイリッシュな充電パッドです。 これはデスクトップに最適であり、ドイツのテックマガジンMac＆Iによって世界で最も速く評価されています。

Symbus Q コンパクトUSB-Cハブ、ワイヤレス充電付き ➞

 このスタイリッシュなUSB-CハブはノートPCにHDMI、イーサネット、USBポート、および充電機能を装備しています。 また、スマートフォンをワイヤレスで起動するための内蔵Qi充電パッドも備えています。

ワイヤレス充電器を内蔵したPorto Q 5Kモバイルバッテリー ➞

内蔵のQiワイヤレス充電器を備えたこのモバイルバッテリーはワイヤレス充電をモバイル化します。 5,000 mAhの容量を備え、35時間のバッテリー寿命を提供します。米国版CNETの「ベストポータブルワイヤレスQi充電器」で紹介されました。

Lounge Q ワイヤレス充電スタンド ➞

Lounge Qは長椅子をモデルにしたMoshiの非常にスタイリッシュなワイヤレス充電器です。 調整可能なアームによりユーザーはスマートフォンを水平または垂直モードに配置して柔軟な表示オプションを利用できます。 5月中旬以降にリリース予定です。

ここで在宅勤務をするときに前向きで生産性を維持するための究極のガイドをチェックしてください。